自然素材あれこれ - シバグリ 

シバクリ

 

以前から無垢の木で床暖房をしたいという方が多かったのですが、無垢の木は暖めると隙間があくことが多く、品質的に厳しいものになり、あまり積極的に使用していませんでした。けれども、シバグリは比較的狂いが少なく、床暖房用として販売されているものもあります。

シバグリはブナ科の落葉高木で北海道から九州の里山に自生しています。葉はクヌギに似ていて、初夏に白い花を咲かせます。実は古くから食用にされ、野生のシバグリから多くの品種がつくられました。実の大きい「丹波栗」や栗ようかん、栗きんとんに使われる「筑波」や「利平」などが有名です。しかし、建築用にはこうした果実用の品種は背が低いために向かず、山に自生しているものの方が適しています。

以前は、日本中どこの山にも見られ、薪や炭、シイタケのほだ木に利用されてきました。堅くて強く腐りにくいという性質から、建築物の土台や柱にも使われました。青森県の三内丸山遺跡からは太いクリの柱で作られたやぐらが発掘されています。けれども、その性質から一時期鉄道の枕木に大量に使用されたため、建築に使えるような大きな木が少なくなってしまいました。このままいくと国産のクリは非常に手に入りにくくなるそうですが、まだ、40cm~60cmの短い板なら手に入るそうです。短い板は床に張るのに手間がかかるため、縦に継いで2mに製材した製品もあります。