東大阪の庫裡のリフォーム

 2013.7.26

10年前に東大阪で本殿建立と共に新築された庫裡(お寺の住居部分)のリフォームです。

大切に住まわれていたので、あまり傷みはないと思っていましたが、やはり10年たつと水廻りの補修などメンテナンスが必要でした。それと共に、家族が快適に暮らすために、いくつかの要望が出されました。

ご要望

  1. 1階のリビングが暗くて寒いので、明るく・暖かくしたい。
    南に窓や天窓があるが、隣接するマンションが南からの光を遮って、その天窓からもあまり光が入らない状況であった。
  2. 2階の和室2間を、天井だけ残して明るい洋間にしたい。
  3. 2階の廊下が中央にあり、その両側に個室が並んでいるので、どうしても廊下が暗くなる。廊下も明るくしたい。

対応1

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床暖房を設置したクリの床と天窓

  • 床を国産のクリのフローリングにし、床暖房を設置した。
  • 床の高さを上げたくなかったので、電気フィルム式の床暖房を採用した。
  • 健康に配慮して、フィルム式のものの中でも、施工時に接着剤をあまり使わなくて良いものを選んだ。
  • 現在の天窓の枠を外し、天井の角をカットして、陽の入り込む角度を広げた。また、側面にガラスを貼って光の量を増やした。ミラーに天窓がいくつも反射し、不思議な空間が誕生した。
  • リビングと茶の間の4枚板戸を杉の和紙貼りガラス障子に変更した。茶の間の光がガラスを透して感じられ、柔らかい明るさを得ることができた。

対応2

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  • 床は国産のカバ桜(厚み15mm)のフローリングを貼り、巾木もカバ桜を加工して取り付けた。
  • 押入れは、解体してクローゼットとし、内部の壁に杉(厚み10mm)を貼って吸湿性を高め、扉は桧で製作した。
  • 壁面には、吸湿性のあるクロスを貼った。
  • 窓枠や、柱・額縁などに、すべて国産の桧を使用したので、室内には無垢の木の香りが漂っている。

対応3

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  • 和室の入口は引き違い戸だったので、撤去後、中央にドアをセットし、その両側に桧の枠を作成してFIX窓とした。明るい洋間の光を、廊下まで届けることができた。
  • 壁面は部屋と同じ吸湿性のあるクロスを貼った。

今回のリフォームでは、とても明るく・暖かい住まいになったと喜んでいただけました。施主のアイデアももらいながら、細かい打合せを重ねることが出来た結果だと思います。住み心地の良い空間を作るためには、大地の恵みである良い材料とそれを生かす優しい施工、プラス施主との信頼関係がとても大切だ、と痛感した現場でした。

[設計・施工 高橋空間工房]

[DATA]

分類: 戸建リフォーム。 設計/施工: 高橋空間工房