「改正省エネ基準(H25年基準)に対応するために」

勉強会 2015.2.10

4月から省エネ基準が改正されます。改正後は外皮(建物の屋根または天井・外壁・建具・床)の熱の伝わりやすさの平均値を計算する方法が採用されます。対応する計算プログラムは昨年作成されたばかりです。そこで、2月10日、講師にエンデバーハウス㈱の小笠原氏をお招きして改正後の基本的な省エネの考え方の概略と計算実務の方法を講義いただきました。

もく(木)の会メンバーの設計図をサンプルにして、プログラムに沿って図面からの数値の読み方、入力の順序を教えていただきました。ひとつづつ丁寧に入力すると、最後に計算値と省エネ性能への適合性が自動的に判定されます。手間はかかりますが、この計算をすることで、過剰な断熱施工のない住宅を設計できます。

その後の質疑では日頃疑問に感じている質問がたくさん出て、断熱と気密をした上での計画換気の重要性、土壁の家の断熱施工、木と相性の良い断熱材等について答えていただきました。また住宅の断熱性が高いと冬季でも高齢者の日常生活が活発で病気になりにくいという興味深い研究も紹介いただきました。以前、理学療法士の知人に寒くなると高齢者が運動不足になり認知症がすすむことが多いときいたことがあるので、快適な室内温度の必要性を一層感じました。

国は今後、ドイツなどヨーロッパ並みの断熱性を目指すとのことです。きもちいい木の家には自然環境の上手な取り入れが大切ですが、適切な断熱施工は当然欠かせません。また、住宅エコポイント、長期優良住宅、低炭素住宅など省エネ基準を満たすことでメリットのある制度もたくさんあります。新しい取決めのなかでよい家づくりをしていきたいと思います。