勉強会「木造建築と工法」2013年5月16日

セミナー 2013.5.16

5月16日京都大学生存圏研究所において『木造建築と工法』というタイトルで木構造勉強会を開催しました。
日刊木材新聞掲載の紹介記事を見てのお申込みも含め17名の参加がありました。現行の耐震基準指標のひとつである「床倍率」の確保には、合板使用が有利かつ一般的であり、杉などの無垢の木を使用するには、平面計画によっては一部に合板の使用を余儀なくされることが懸案でした。そこで、その点をテーマに京都大学の南宗和研究員に講義をお願いしました。

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無垢材を活かす場合の耐力壁、現し床における床倍率のことを中心に講義いただきました。

耐力壁については意匠面を配慮しながら強さを確保する方法として、木のめり込みを活かした格子壁や小壁としての耐力をもつ斜格子欄間を紹介されました。
強さと意匠を兼ね備えた非常に美しい壁で、多様な格子デザインの可能性を知りました。床倍率については、杉の厚板の現し床での実大実験の数値結果をもとに講義いただき、ビス留めの施工方法による差異、現し床単独での水平剛性確保の困難とその改善策、改善策としてのH型金物の紹介がされました。なお、金物については現在製品化の準備中とのことでした。無垢の材を使用したいという要望が、耐震性を増す工法の研究を進める推進力になっていると感じました。