体感住宅 ”2ndるーむ六甲”

 2013.8.17

cs_m15shinohara_planこの住まいは集合住宅の一戸(76㎡)で、六甲の高台にあり、北は六甲の山々、南は大阪湾を一望できる恵まれた環境にあります。築30年で、躯体の壁やスラブ厚は薄く、単体サッシの機密性や断熱性は悪く夏冬の暑さ冬さは厳しく感じられました。
また、階下や隣家との遮音性の改善を要しました。そのため、リフォームを行い、30才代の人たちがステキを感じる住まい”2ndるーむ六甲”と名づけましたた。
これは体感住宅です。私たち自身は勿論のこと、多くの人がここに集まり、自分に合った心地よい環境について語れる拠点になればと考えました。
快適さは人さまざまですが、各人の五感をリフレッシュできる状況を提案できればと考えています。

計画は四項目を重点にすすめました。

  1. 健康な空気づくり
  2. 心地よい空気づくり
  3. 粋な空間づくり(内外仕切りの開閉)
  4. 遊び感覚(刺激としかけ)

です。

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杉を張った床・障子襖は玄関へ繋がる

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壁を無くしLDKと和室2室を1室に

施工はマンション規約に従って管理組合の許可を取り、床・壁・天井・間仕切り壁等すべて撤去して躯体の状況をチェックしました。天井に雨漏りや結露のしみ跡が見られたため、天井断熱は現場吹き付け断熱としました。床は段差を無くし、全体にレベルモルタルを打ち水平を確保しました。壁には新たに断熱材を入れボードを貼りました。化粧柱及び造作材は全て杉。壁と天井の仕上げは土佐漆喰塗りとしました。床は遮音等級L-45を確保するため、工夫を凝らしました。床仕上げは浮づくり杉30㎜で足の感触と汚れ対策をねらいました。押入れ内部は棚板を含め全て杉仕上げとしました。

建具はデザイン性と断熱性を重視して枠、障子桟、化粧桟の杉と和紙で作り、特に外部サッシの障子は和紙両面貼りとし、サッシとの間に和紙じゃばらロールスクリーンの三重構造としました。そのため、昼間も暗くしてやすむことが出来ます。

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リビングから見たキッチン

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杉スリット材を利用した建具

 

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西日を防ぐための工夫

 

cs_m15shinohara06浴室、洗面、便所はワンルームでピット防水のタイル貼現場施工。キッチンはホーロー製。置き家具も基本は杉やムク材を使用。テーブルの天板は杉60mmで床座、椅子様にアレンジ出来る脚を準備しています。
バルコニーは杉のすのこを敷いて、柿渋仕上げとしました。接着剤や塗料は最小限にとどめ自然のものを使用しました。

完成後に訪れた方々は気持ちが落ち着くためか長居をしてくださり、友だち家族は泊り客となっています。

[DATA]

分類: マンションリフォーム。 設計/施工: よしの山本設計企画