住み替えより老後は気に入った住まいで!
●プランニング
若い世代にとってマンション生活は家族の成長に合わせた住み替え手段となりますが、60歳を過ぎますと終の棲家として、”これからの2~30年の生きかた”を考えた住まい計画をいたします。
ピアノ演奏を楽しまれる奥様とパソコンや読書を楽しまれるご主人が互いに快い時間を過ごす家の中に、お互い適度な距離(間=ま)が必要です。 “こだわりキッチンを中心”に玄関側にはピアノサロン、奥側にはご主人のパソコンリビングとサンルームです。部屋の東端~西端 約15m(約36帖)の見通しができます。一室を間仕切るのは杉の格子と必要な時天井からのスクリーンです。
視覚空間の広さは精神的なゆとりを生み出し、疲労を抑える効果があります。お互いの生活を尊重した見守りの空間を作りました。
●断熱・結露・防音
専有内部はスケルトンとして壁、床、天井を下地から断熱・遮音工事をしました。RCの壁や梁のカビは内部結露が原因である事が判明、室内側に防湿フイルムを張る断熱工事と石膏ボード2枚張り遮音工事を合わせてしました。全室の天井はポリエステル断熱材(100㎜)を敷き石膏ボード(吸音タイプ)仕上げとしました。特にグランドピアノ設置場所の床は、階下への遮音・吸音の仕様として、防湿フイルム→わらとこ(50㎜)→コルク(10㎜)→ウールカーペット(5㎜)敷き仕上げとし、天井は共振を避けるため吸音施工を施した勾配天井としました。また全ての窓に内窓を取り付けました。空気層や樹脂製であること、更に複層ガラスで断熱効果を上げました。冬に特に結露した窓は複合ガラスに断熱フイルムを挟み、夏に暑さ厳しい窓には外窓に遮熱フイルムを貼りました。
●設備の省エネ
キッチンは奥様こだわりの機能、収納、デザイン重視で決定されました。計画当初から今より15才若くなって頂くため、お好きなピンクのキッチンが部屋の中央で輝いています!浴室は1.5倍大きく明るくなり、水回り、電気回り共にバリアフリー、省エネ対応です。ガス給湯器も取替え、LDKは温水式床暖房としました。
●よく眠れる杉の寝室と杉の納戸
「よく眠れていますか?」を合言葉に、健康は毎日の良い睡眠からと考えています。良質の空気を確保できる寝室に仕上げる様に心がけています。寝室の壁と天井は断熱工事の上、ベッドヘッドの壁4mに杉(12.5㎜)を横張りとしました。納戸のカビと結露対策として断熱工事と合わせて行ったのは、既存のφ100mmのACスリーブ穴を利用して給排気換気扇を取付け、滞っていた部屋の空気の流れを作りました。
物入れと納戸5帖も床、壁、天井、棚、全て杉(12.5㎜)張りとしています。寝具や衣類が収納される狭い空間には特に空気の質が大切と考えています。杉は空気を浄化させ、視覚的にも手に触れても大変優しい材料です。