無垢の木でマンションリフォーム
今回の事例は、もく(木)の会の購読会員であるTさんのお宅のリフォームです。Tさんはもく(木)の会が発足し
た当初からずっと、購読会員としてもく(木)の会の活動を見守っていてくださり、ご自身も無垢の木が大好きで
いつかは自分の家の床に杉の無垢材を貼りたい・・という願いを抱いていらっしゃったとのこと。今回その夢が
ようやく実現したことになります。
Tさんは、神崎川べりの分譲マンションに40年近くお住まいです。リビングと廊下、及びDKの床は、
カーペット から念願の杉の無垢材に張り替えました。但し、DKの流し台付近は水に濡れる可能性を考慮して
一部コルクタイル にしています。洗面所とトイレの床は、水に強く掃除が簡単なクッションフロアを採用しま
したが、リビングの掃出し窓付近も雨の吹き降りがあることから、一部洗面所の床と同じクッションフロアを
張っています。リビングと廊下の壁と天井は漆喰塗り、洗面所とトイレも壁は月桃紙を貼りました。
リフォーム前のリビング
床に杉を張り、ふすまも貼り替えたリビング
便器、洗面台、ユニットバスなどの設備も全て新しくしました。既存の配管やスペースとの関係で、最も問題
なく納まる製品を探すのにかなり検討が必要で、特にトイレは配管の関係上便器の設置位置が固定されそのため
便器と扉が接近する事態となりましたが、扉を斜めに取り付けることで空間を確保する方法を取りました。
結果は使いやすくて良い、という感想をいただいています。
トイレのドアを斜めに
リビングの窓は南向きで、日が良く差し込み明るくて良いのですが、時間帯によっては眩しすぎることもある
との お話を受けて、断熱効果のある「ハニカムスクリーン」を窓に取り付けました。上部と下部のバランスは
紐で調節が可能で、全てベージュにすると光が和らぎます。
リビングの窓に取り付けたハニカムスクリーン(白+ベージュ)
全てベージュにしたところ 全て白にしたところ
キッチンユニットと収納棚は無垢材で製作したいとのご要望を受けて、もく(木)の会のメンバーである高橋空間
工房に依頼しました。
リフォーム前のダイニング
杉で特注したキッチンと壁面収納
下駄箱と傘立、及び鏡も同様に高橋空間工房で造ってもらいました。傘立には、非常用の持ち出し袋を収納
できるBOXを組み込んでいます。(ご主人のアイデア)
玄関を入ってすぐ60㎜程度の床段差があったのですが、今回の工事で解消することができました。
同じマンションの方が見に来られて、玄関から、洗面トイレと段差がなくなっていることに、
感心されていたそうです。
廊下には手を添えて移動できるように、杉の床材を壁面に取り付けました。将来しっかりした手すりを取り
付ける際の下地にもなります。また、壁面に物を掛けられるようにと同じ床材を鴨居の上の位置にも取り付け
ています。
「空気感が違って気持ちが良い」とは、遊びに来られた方の感想とのこと。
皆さんつい長居をされるようになった との、嬉しいご報告もいただきました。
今回のリフォームでは「奈良の木を使った住宅への助成制度」を利用しました。
Tさんの長年の夢をかなえるお手伝いをさせていただくことができ、私達も嬉しく思っております。