小さな子たちのための小さな保育園
堺市では待機児童解消を図るために0~2歳児の低年齢児を対象とした定員15~19人の小規模保育事業の運営事業者を公募しています。この場所で計画を進めていました法人が事業者として選定され、整備を進めることになりました。
土地所有者がこの施設のため事前に建築し、法人が認可保育園として整備をしたものです。法人としては小規模保育施設を手がけて3園目の施設になりますが、今回初めて担当させて頂く事になりました。
小さな子どもたちが過ごす生活の場ですので、床材に無垢の杉板を使って、安心安全な環境を提供したいという想いを先生に提案しました。
それについて好意的に受け入れて頂けましたが、メンテナンスについては気にされていました。
それで今までの事例や日頃のお手入れ方法を説明するとともに、子どもたちの生活環境についてもお話しました。
保育園では必ず要望される床暖房を施すことになり、出来るだけ対応している材を選びました。
以前、節に埋木処理をした床板を張りましたが、床暖房による乾燥のためか埋木が取れたことがありましたので、今回は奈良県産材の節の少ない上小節でよく乾燥された杉の床板を張ることにしました。
保育園を設計する時は子どもたちが手に触れる部分を柔らかい杉材にし、角は必ず面取りをするようにしています。
今回も建具の枠や内部の建具、仕切り柵、衝立など杉材を使い製作しました。
玄関と保育室との仕切りの開閉柵を今まで他の園で作ってきた高さと同じ高さで製作しました。ところがこの園では、あと10cmほど高い方が良いということでしたので、製作だから出来るのですが、杉板を使って対応することになりました。入園した子どもたちの動きや先生方の保育方針によってわかることがあり、開園後に対応を要することが出てきます。
今まで係わった保育園とは今でもメンテナンスなどでお付き合いしていますので、この園とも子どもたちにとって心地いい空間造りのお手伝いとして、今後もお付き合いをさせていただきたいと思います。