漆喰壁にこだわったマンションリフォーム(芦屋市)
築20年以上たち、リフォームを考えはじめたNさんは、ご主人もご自身もアレルギーがあるため、内装材についていろいろな本を読んで勉強されていました。そして、壁や天井には漆喰がよい、との結論にいたりました。たまたま、新聞で自然素材でマンションリフォームが出来ることを知り、㈱アルプランの事務所に相談に来られました。
リフォームにあたってのNさんの希望は、漆喰の他には、床暖房を入れたい、ご主人の書斎とご自身の応接スペースが欲しい、キッチンをクローズドからオープンにというものでした。
無垢の木に床暖房をするとどうしても木が動きます。それを最小限に抑えるために、床材は桧の無節にし、熱源は低温温水床暖房にしました。このシステムは温水が流れる管のまわりに断熱材(今回はコルク)を入れるので、防音効果もあるのでは、と考えました。
間取りは原型とほぼ同じですが、収納部分の変更により内部の壁を全て取払い、スケルトンの状態にしました。応接スペースにはクロークも作りました。今回は通常の部屋だけでなく、押入やクローゼットの内部も全て漆喰を塗っています。
キッチンは奥様の希望でL型の対面キッチンにし、キッチントップはステンレス、電磁波を気にされたので、調理器具はガス、食洗機も入れませんでした。キッチン・カウンターもすべてヒノキで特注しました。カウンターはリビング側にお皿を飾りたい、とのことだったので、透明アクリル板の扉にしました。リフォームを機に、ダイニングテーブルはハンスワーグナー、椅子はYチェアを購入されました。
建具もすべて木製で作り、トイレ・浴室・洗面など水廻りもすべて入れ替えました。洗面所はガラスブロックで光を取り入れています。
収納量が大きい下駄箱が欲しい、とのことで、天井まである下駄箱をスペースに合わせてデザインし、ヒノキで製作しました。玄関の床は大理石を貼っています。
漆喰にこだわった奥様は、カーテンにもこだわり、オーガニックコットンのカーテンを揃えたそうです。
Nさんのお宅はマンションの最上階で、1階下の屋根がテラスとして利用できるようになっています。そこで、テラス全体に木製デッキを作りました。テラスから由緒ある教会なども見え、気候の良いときは、テーブルと椅子を出して景色を楽しんでいらっしゃるとのことです。
また、リフォームを機に、既存のサッシをそのまま利用してペアガラスに変え、断熱性、遮音性を高めました。
勉強熱心な奥様が、何度も事務所に通われて、設計者と良く話合い、自然素材に囲まれたとても気持ちのいい空間ができあがりました。