大阪市内、準防火地区に建つ、木造3階建て住宅
土地の北面と南面が大阪市道に繋がっているものの細長く変形の旗竿地で、しかも北と南の土地の段差が350mm。この地形をどれだけ有効に活かせるか?が大きな課題でした。
敷地(茶色の部分)
住まわれるのは家族5人とわんちゃん2匹。家族の居住ゾーンとは別に皆が集まれるフリールームをご希望でした。ほとんどプランが決まりかけた時、延べ面積が200㎡を超えてしまい防火の基準が厳しくなるのと予算の壁にぶつかり、また最初からプランを考え直すことになりました。
①外観
①外観
屋根はガルバリウム鋼板という金属板で遮音の為インシュレーションボードを挟み、外壁は金属製サイディング。バルコニーを囲む杉の格子組を考えていましたが、防火上の規制の為断念しました。
②南入り口の手すり
②手摺
1階の床は土間仕上げとし、段差のある北ゾーンと南ゾーンをバリアフリーにしたため、どうしても南入り口は2ステップになりました。両側にアイアンの手摺を作り、リーフのオブジェを添えました。
③通り抜け通路と棚
③北玄関からフリールームへの通路
長い通路の壁に杉の4mの自在棚を作成し、お母様の作られるオリジナルの洋服や小物を展示できるようにしました。 棚板には杉30mmのフローリング材を使い、土間は300*300のタイル貼り。カウンターはアフリカ産の厚み90mmの天板です。腰壁は檜の耳付き板を貼りました。隙間は下地の上に漆喰を塗る予定です。
④2階キッチン
④2階キッチン
北リビングと南リビングの真ん中にあるキッチン。北側の落ち着いたリビングと南側の明るいデッキにつながったリビング、両方に繋がったキッチン
から物干しのベランダに続く動線上に、洗面、ユーティリティ、浴室が並びます。
⑤南側リビング
⑤南側リビング
6畳のベランダに続く、南リビングは主にお母様の居場所で、壁の漆喰はご自身で塗られました。明るい日差しを受け、漆喰壁と杉の床に囲まれ、ゆっくり寛いで下さる事を願っています。
⑥2階トイレ ⑦2階廊下
⑥2階トイレ
トイレ内に少しでも杉を使いたく、手摺と壁に貼りました。感じが優しくなりました。
⑦キッチンから洗面・ユーティリティ・浴室へ続く浴室の横にベランダへの廊下を取り、室内干しも出来るよう、取り外し出来るパイプをセットして
います。湿気がこもっても、床のタイルが引き受けてくれます。
この家は、いつも多くの人で賑わっています。何でもこなし多才で、どんな方もすぐに受け入れられる魅力的なお母様の周りには、友人知人が集まってこられます。「旗竿地なので光が入らないと思っていたけれど、結果的にどの部屋も明るくて風が通る部屋になったね。」と仰って頂き、最高に幸せに思っています。