神戸・森南町の都市住宅
森南町に息子の家を竣工して1年。工務店と1年点検をした。新しい家なので、美しく整理されている。
設計段階で収納についてよく打ち合わせをした。本、衣類、おもちゃ、食器等多くの物がある。本は廊下の壁面に高さ2.2m、幅1.9m、奥行き18cmの棚を作りつけにして文庫本等をならべられるようにした。本は次々と増えていくが時々、整理しているようだ。
玄関は家の中と外の「中継地点」。玄関ですることは靴を脱ぐ、はく、磨く。それ以外に雨具の管理、ゴミだし、掃除、玄関ポーチ周りの草花の手入れ、資源回収、宅急便の受け取り、ポストの中身の仕分け等、多くの作業がある。道具をあちこち取りに行かなくてもすべての動作が玄関で完了するように、ポーチに天井までの物入れ、玄関には高さ90cmの下足入れと、コート類も入れられる天井までの物入れを設けたので、玄関ホールがすっきりとして広く感じられる。
2階の居間と1階の駐車スペースの段差を利用して中2階に、高さ80cm、広さ4.5帖ほどの床下収納を設けた。その仕上げは天井、壁、床とも杉板張り。
居間の収納として、階段の踊り場の上部を利用した。収納スペースを多く設けても整理できない人も居るが、幸い息子のパートナー、彼女は整理が趣味と言っているので空間がすっきりして、物が少ない。居間は南と北側にバルコニーを設けたので広く感じられる。
北側のバルコニーからは六甲山がみえる。北側の家が平屋建ての広い庭があることが幸いしている。居間の西側の窓は工事中に位置を変更、隣家の隙間空間から西側の道路が見える位置にした。
間口6.4m、奥行き17mの細長い土地に建築したのだが、細やかな工夫をしたので、家の中に入ると狭くは感じられない。ささやかな中庭にはもみじ、トネリコが植えられ、窓辺には緑のカーテンにゴーヤを植えている。
今後、子供の成長とともにどのような家に変化していくのか、楽しみにしている。
<工事概要>
敷地面積 120.0平方メートル
1階床面積 53.3平方メートル
2階床面積 60.9平方メートル
合計床面積 114.2平方メートル
[設計監理:(株)アルプラン 中川倶子]