吉野の地で 吉野材を使った 吉野の職人による住まいづくり

 2013.7.22

生活

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cs_n023yoshino02この地は、吉野神宮、吉野川、吉野の山々に囲まれた素晴らしい自然豊かなところです。
K夫妻は2才の男の子と11月ご出産予定の4人家族に加え、祖父母、両親、が同じ敷地に住むことになりました。

 

施主参加型施工  ※施主が、調査して体感―予算計画と照合―決定―発注―住んで検証すること

30代のK夫妻は、家のことを真剣に調べ、体感して、杉や漆喰の自然素材で造りたいと考えました。
Kさんの家業は建材メーカーで、将来会社を担う立場にあります。それ故今回の家造りを通して、設計完了から着工・竣工迄のプロセス、さらに住み手になって日常の生活から改善点を明らかにすることは、今後のKさんにとって大変有効であると考えました。
材料の分離発注や施主支給方式を多く取り入れ、予算配分だけでなく全実行予算管理を施主自身がされました。建材や設備は、健康配慮と予算計画の2つの物指しで、素材・デザイン・色・形・性能・価格面から手に取り目で確かめて決定されました。

造り手の顔が見える

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リビング

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ダイニングキッチン

cs_n023yoshino06日本の山の杉の魅力を見つめ直し、活用を提唱する日本全国スギダラケ倶楽部という組織があります。
Kさんはこの奈良支部のメンバ-です。同じメンバーの吉野材センターの南さんに吉野材の手配協力をお願いしました。杉、檜は近くの”吉野材の市”から構造材用、仕上げ材用として地元の各製材所に入り、天然乾燥や48℃以下の低温乾燥を行い、杉は梁・床・壁・天井材として檜は柱に加工されて現場に直送されました。
30mmの杉の床はさらに近くの工場で熱圧処理を加え、水をこぼしたときの「もどり」や寸法変化を軽減する為に蜜蝋ワックスを塗りました。奈良県林業試験場の性能データーによると熱圧処理をした杉の床材は表面は硬く傷が付きにくい、内部は元のままで調湿効果は多少落ちるが断熱効果はすぐれている。
Kさんは自宅に熱圧処理材と未処理材を持ち込み、数ヶ月の傷と汚れを比べて熱圧処理材を採用しました。

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2階子ども室

 

設計計画

延べ床面積は129㎡(39坪)です。

  1. 日常生活では幼い子供たちへの優しく細やかな目配りができること
  2. 主婦の動線を単純にすること
  3. 部屋数よりも空間を広くとり、用途に合わせて閉じる開く・区切るの3点をポイントにする
    1階はパブリックなワンルーム、2階はプライベイトな2室とする
    2階ホールの吹き抜けにロフトを作り小屋裏の断熱施工を完璧なものとする
  4. 窓からは光と風と借景の山の緑を取り入れる
  5. 屋根形状は将来太陽光発電設置を考えて南面勾配片流れとする

明るく、さわやかな住まいが完成しました。お子様のお健やかなご成長が育まれますように!

[DATA]

分類: 新築住宅。 設計/施工: よしの山本設計企画