施主・工務店と取組んだ健康な住まいづくり(大阪市)

 2013.7.21

施主Kさん御夫妻は、約3年かけて住宅展示場などを廻り、どのような住まいが体に快いか『健康な住まい』について大変熱心に検討され、納得のいく住まいづくりを目指されました。

「私達は子供の頃に育った原風景に“安らぎ”や“いやし”を求めるようです。狭さや暗さに恐怖感があります」と言われるご主人は明るく開放的な空間を好まれ、古い民家で育った夫人は優しい陰影のある光に安らぎを感じられます。また工学博士のご主人はできるだけ自然エネルギーを生かすことを希望されました。

 

 

cs_n010seshukoumu03計画の基本を『自然の光と風と緑』をたっぷりと取り入れ、可能な限り機械設備に頼らない日常生活を設定し、構法-構造-仕様-設備を検討しました。都心に建つK邸はプライバシーの確保と防犯対策から光・風・緑を取り入れる方法、高低、大小に綿密な計画をしました。
それぞれの窓から入る快い風と光と緑に変化を作り、仕切り(閉じる)―開くで機能の多様性と開放感を演出しました。

cs_n010seshukoumu01H15年11月、木材供給工場へ施主、工務店、設計者とが一緒に構造材と床材の確認に行きました。 材種、品質、性能を確認のうえ、上棟6か月前に準備に入りました。きざみ工場でK邸板図による墨付けに立会い、Kさん自ら梁に墨付けをされました。

cs_n010seshukoumu05接合部はプレカット工法ではなく全て大工による手加工としました。肌に触れる仕上げ材も全て自然素材です。また既存の建物(築70~80年)の梁で仏間の床板やダイニングテーブルなどを作り、透かし彫りの欄間も利用しました。

施主・施工会社・材料供給者・設計者が皆、心から気持ち良いと感じる住まいが完成しました。「
未完成な家を造ります」と当初から施主に言ってきました。住み手が手を加え、体の一部となっていくことを楽しんで頂きたいと望んでいます。

[DATA]

分類: 新築住宅。 設計/施工: よしの山本設計企画