分譲住宅地に建つレベル差を楽しむ家(奈良市)

 2013.7.21

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共働きをしていらっしゃるご夫婦と幼児2人のご家族の住宅です。

山を切り開いて開発された分譲地の一番奥、まだ隣には雑木林が残っています。道路と敷地との高低差は1m50㎝ほどありました。その「雑木林の風景を取り入れながら高低差を生かす」ということがひとつ目のテーマでした。道路とは同じレベル、住宅内からは半地下に当たる部分にオートバイやアウトドアを楽しむご家族のため のスペースを作りました。この半地下からは住宅内の子供とコミュニケーションがとれるよう階段を利用した覗き窓を設置しています。

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住宅内は、居間と一体になった中2階に子どもたちのスペース。大人の気配を感じながら、でもちょっと離れた落ち着け る場所として今は4歳のおにいちゃんが絵本を広げて読んでいます。階段を上ると読書コーナー。現在はご主人と奥様の書斎として機能していますが、近い将来おとうさんやおかあさんが仕事をしている横で宿題を広げる子どもたちの姿が見られることと思います。

「共働きの生活を支える」ということがこの住宅でのもうひとつのテーマでした。雨が降りそうでも安心して洗濯物が干していける ユーティリティは風通しと光を確保しました。

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寒い冬の日に両親よりも早く帰る子供達のためには肌触りの暖かい杉のフローリングを貼りました。さらに、パッシブソーラーのひとつであるOMソーラーを取り入れて家の中全体がほっこり暖かいようにもしています。元気なおにいちゃんの身長が日付とともに書き込まれた大黒柱、かわいい妹さんがおもちゃでつけた杉のフローリングの傷、どれもこれもこのご家族の生活の証、年輪になっていってくれることと思います。

レベル差のたくさんあるこの家で展開されるご家族4人の生活がこの家のように「跳んだりはねたり」活動的な楽しいものになりますように!

[DATA]

分類: 新築住宅。 設計/施工: KS(ケイズ)設計室高橋空間工房