健康と高齢者仕様にこだわった家(川西市)
予算の許す限り健康仕様にしてほしい、との施主の希望で、床は無垢材(1階はカバ、2階は桧)、壁は珪藻土、天井は杉の無垢材を使用しました。
家族に高齢の方もいらっしゃることから、バリアフリーにし、必要なところには手すりを付けました。リビングダイニングとキッチンには床暖房が設置されていて、床にはカバが貼られました。それに合わせて、造り付けの家具やキッチン、食器戸棚、ドアもカバで特注しました。 これらの家具は担当した設計士が図面を引き、女性建築士ならではの使いやすいものとなっています。
茶室
施主が「お茶を楽しみたい」とのことで茶室を作りました。左の壁は施主自身が設計者と協力して好みの和紙を貼ったとのこと。落ち着いた空間になっています。
通常のウッドデッキは外材で作られることが多いのですが、杉の赤味で作られ塗料も塗っていません。
納戸は調湿作用の高い桐を床・壁・天井に貼りました。
自然素材に囲まれた、やさしい日差しの空間
- 自然と共生した住まい-自然の恵みを生かす光、風、雨
- 自然素材で造る-木、土、紙、石
- 冬暖かく、夏涼しい住まい
- 高気密高断熱
- バリアフリーで快適に
というコンセプトで建てていただきました。木は無垢材で塗料・接着剤を使っていません。壁は珪藻土。障子と襖は和紙、断熱材はウールを使っています。
住んでみて感じることは、木の香りがすること、1日の中でそれぞれ部屋に差し込む光の変化がとても楽しいということ、部屋の空気がいつもサラッとして気持ちがいいということです。
具体的な例をあげると、梅雨時でも湿気らない、少し生乾きの洗濯物もすぐ乾く、風呂の湯気が多少入っても洗面所のガラスがほとんど曇らない、納戸や押入れ・家具の引き出しに桐を使っているためかいつもサラっとしている、などで自然素材の調湿効果に驚いています。
夏に外から帰ると家の中が涼しく、冬は暖かく感じます。よほど寒い日でない限り、朝も暖房なしで寒さを感じません。床暖房は低い温度でも暖かく、消しても長い時間暖かく過ごせています。天井の低い小屋裏の納戸も他の部屋と同じ位で温度が安定していて高温になりません。
風が良く抜け、窓から陽の光、月の光が良く射し込みます。遠くの景色やささやかな庭の緑が目に入り開放感がありとてもさわやかな気持ちがします。開放的でありながら外の目線を気にしないで生活できるよう、設計上さまざまな工夫がされているのを感じています。
自然素材は見ていてとても美しいと思います。和紙を張った障子を通す光は目にやさしいし、ヒノキや珪藻土の壁に朝夕の光や夜のライトが当たった時、柔らかく暖かい色で落ち着きます。自然素材の目にやさしく柔らかい光の中、居心地の良い空間で、日々生活できる幸せを感じています。