介護を視野に入れたパッシブソーラーの家(伊丹市)
「“木”の家に住みたい」と「もく(木)の会」を訪ねて下さいました。
また高齢のおかあさんと一緒に住んでいるため設計に当たって、「もしおかあさんの介護が必要になっても、介護される人もする人も少しでも楽になるように」ということと、「50代の施主夫妻が高齢になっても、最後まで住み慣れた家で過ごせるように」ということを強く要望されました。
トイレは車椅子を使っても十分介護できるようにゆったりと取り、1階のお母さんの部屋から、玄関、客間を避けて直接トイレにいけるように動線を確保しました。 さらに、トイレの扉は廊下側からの出入りとともに直接洗面所、浴室へも抜けられるようにしました。また、心筋梗塞をされたことのあるおかあさんと施主ご主人にとっては居室間の温度差は防ぎたいことの一つです。
OMソーラーというパッシブソーラーシステムの一つを取り入れ、太陽の熱エネルギーを使って床暖房をし、家全体が「ほっこり」暖かい状況にしてあります。
春から住み始めたので、その良さを実感していただけるのはもう少し先になるでしょうが、快適な状況になることは今までの施工例やコンピューターによるシミュレーションによってまちがいないと考えています。
「木の家はやわらかく暖かいし、訪ねてくれた友人達は『木のいいにおいがする。』と言ってくれる。」とメールで知らせてくださいました。木としっくいでできた家は調湿作用もあり、シックハウスを心配することもありません。その柔らかいインテリア性とともに実質的な面でもすぐれものです。
「介護の必要ができても・・」というご要望に応えましたが、健康的に住まうことのできる家ができあがりました。介護の必要のない状況で住み続けていただけるように願ってやみません。
施主の声|光熱費を比較してみて
建坪や人数は新築のほうが多いにも拘らず光熱費特に冬(の暖房費)は半分以下になっていることがわかりました。旧家屋は隙間風が多くガス暖房を使いすぎていたようですが、それとともに、新築の断熱効果が良いこと、OMソーラーと夜間電力を使った補助暖房が貢献しているためと思います。もう1つ大事な点は「寒くない程度に我慢」するように意識が変わったことが大きいと思います。新築は冬の寒い朝でも15,6度はあります。少し肌寒いのですが我慢できないほどではありません。昔なら冬の朝晩は寒く夜間も朝も直ぐガスストーブをつけて暑くなるほど暖房したのですが、それがなくなりました。特に意識したわけではないのですが、木の香りがする家と自然エネルギーを使ったOMソーラーシステムを使っているうちにその様に意識が変わってきたようです。