木材利用促進アドバイザーとしての活動
大阪府の「木材利用促進アドバイザー」としての活動がこの夏から始まりました。
今回はアドバイザーとしてどのようなことを行っているのか、その一端をご紹介します。
大阪府には河内長野市や能勢町のように林業が盛んに行われているところもあれば、大阪市のように林業が行われていないところもあります。環境譲与税はどの市町村にも譲与され、森林整備や促進などが主に生産側に求められ、木材利用や普及促進などが主に消費側に求められます。そしてその両者が良好に循環することで、温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等につなげていくということがこの税の目的です。そのなかで、私たちは木材の特性を知って木材を利用する
という観点からアドバイザーの活動を行っています。
8月2日には各市町村の担当者に向けての研修がありました。
午前中には森づくりの観点からの話があり、午後からの木づかいの部で、メンバーの相河が「木材利用事例と普及活動事例」というタイトルで、保育施設や小学校の保健室など子どもたちの生活の場で利用したケース、マンションの集会室などたくさんの人が集まる場で利用したケースを取り上げ、利用するにあたっての留意点やメンテナンスの方法なども含めて紹介しました。またこの通信でも紹介していますが、ミニチュアハウスの組立や杉BOXづくりなどを通じて木材の良さを知ってもらう普及活動も紹介しました。
もく(木)の会が携わった建物だけではなく、木材をうまく利用している建物や内装を行政の担当者に知っていただくというのも私たちの活動です。そのために大阪府内外の優良木質化建築物の事例集を作成することになり、見学・取材を行いました。
一番最初に訪れたのは、奈良県産材を利用したホテル「セトレならまち」
ホテル「セトレならまち」の外観
ホテル「セトレならまち」内の茶室
次に訪れたのは、板の繊維方向を直交するように重ねた木の構造材CLTを使った「ぷろぼの福祉ビル」
ぷろぼの福祉ビル 1F 飲食スペース 壁面にいろいろな種類の木が張られている
滋賀県の多賀町産材を構造材にも内装にも使っている公民館「多賀結いの森」も訪れました。
今後資料をまとめたり、行政の担当者に向けて見学会を行ったりして、魅力的な木質化の例に触れて、うまく各市町村でも取り入れていただきたいと考えています。