「オンライン交流会」(6月18日)

活動報告 2021.6.18

コロナ渦で対面での活動が制限されて2回目の夏になりました。会議などがリモートになり対面での活動を避けたい今の状況下、リモートだからこそできる活動があるのではないかと、初めてのオンラインによる交流会を6月18日の午後、賛助会員や購読会員のみなさんと行いました。

2050年には脱炭素社会の実現が言われる一方、国産材の活用を進めてきた我々にとっても切実な問題となっている「ウッドショック」のなかでそれぞれの会員のみなさんが取り組まれていることは興味深いものばかりでした。

この紙面では要約をお伝えすることしかできませんが、今回の交流会の様子は、youtubeにアップしています。是非ご覧いただき、ご意見などをお聞かせください。

■(株)ホーテック 堀内嘉久氏 「奈良県産材の内装材」について 動画はこちら

・熱圧(圧密)フローリング ・ハードフローリング ・不燃・準不燃木材 ・防音直貼り無垢フローリング「音静香」 ・杉スリット壁材など
無垢材の良さを活かしながら現在の生活で求められる点を補強するために開発された内装材について紹介。
これらの内装材は奈良県地域認証材の乾燥、加工精度などの品質維持の技術を活かし、さらに傷つきにくさや現行法規に対応するための付加価値を加えたものであった。

■エンデバーハウス(株) 小笠原三千男氏 「健康・環境・SDGsに対応した商品」について 動画はこちら

炭素と酸素、水素を原料としているパーフェクトバリア(ポリエステル繊維の断熱材)の性能についての紹介。

木材が空気中の炭素を固定するのと同じようにこの断熱材も主成分の炭素を壁の中で固定し、CO2の削減に寄与しているとのこと。 製造エネルギーが少
ないということも魅力があり、子どもたちがイベントで水の代わりにパーフェクトバリアを入れたビニールプールで遊んでいる姿は施工者にとっても安全であるということを表していた。

■(株)平野木材 藤井謙昌氏 「小さなエネルギーで豊かに暮らせる住まい」 動画はこちら

材木を商う家の出身だが、奈良の木が使われないということから自分で奈良の木を活かす家づくりを始めた。

現在は、光や熱・風等の自然の恵みを活かすパッシブデザインを取り入れ、その性能などを数値化し、あるいはシミュレーションして目に見える形で住まい
手に説明を行っている。

まとめでお話しいただいた、住まい手の理想を最優先にするだけではなくその性能など見えないものを大切にすることが暮らしの中での「住み心地の良い住まい」につながる、という言葉が心に残った。

■オスモ&エーデル(株) 橋本渉氏 「ドイツ生まれの電動外付けブラインド『ヴァレーマ』」 動画はこちら

「暮らしの理想をドイツから」ということで環境負荷の少ない建材を販売している会社から外付けブラインドの紹介。

日本で屋外に下げて使われていたすだれを多機能にし操作性を高めたものとの説明はなじみやすかった。
外付けにすることで内付けよりも日射熱量を大きくカットでき、軒や庇による遮蔽より羽の角度を変えることで季節・時間によって太陽光や量を調整しやすいというメリットがある。これからの温暖化を考えると効果が大きいと思われた。

■アベホーム(株) 中肖壮氏 「木製玄関ドア、遮音通気ドア、防火ドア、防炎・防蟻・防腐効果があるSOUFAの紹介」 動画はこちら

建具・造作家具などを作っているメーカーで今回は「木製の通気遮音ドアや引き戸」「竪穴区画に適合した木製の防火ドア」を紹介。

また防蟻効果のあるSOUFAはホウ酸塩の水溶液で防腐効果や防炎効果も期待でき、中性水溶液で加圧せずに木材へ含浸が可能であり、塗布後の着色もできるとのこと。

防蟻処理についてはシックハウスを懸念することが多いので、材料が無機物であるためその心配がないという点に魅力を感じた。

■阪口製材所 阪口勝行氏 「木材業者が展示場を持つ理由」 動画はこちら

安全・安心・健康を売るために徹底した品質管理を行うということを理念としている製材所が吉野に2箇所モデルハウスを作った。

そのなかで吉野近辺にある異なる樹種の柱を使い、ヤマザクラのフローリングやケヤキの段板・コウヤマキのベランダなどを提案している。

実物を見てもらうことで販売につながったり、ポイントで使える樹があるということを設計者・工務店に知ってもらっている。

またこの展示場を近辺の製材所、関係する業者とも共有することで山全体の利益につなげたいと考えているとのこと。

■(株)丸紀 山田香織氏 「保育園用家具・テレワーク用家具の開発」 動画はこちら

インターネット販売を中心に、お客様に木のぬくもりを届けるブランド「Woodpark」を紹介。

木質建材を作っている本社製造工場の端材のもったいないをなくすブランドで、子ども向けの家具などを製作。

地元の美浜町役場健康推進課との共同開発「出産祝積み木セット」や町役場の紀州材を使った会議用テーブルとスツール・カタログラックなどの製作で積み上げてきたノウハウを使って、今回空間や用途によって組合せ自由な「まあるいつくえ」を開発したとのこと。

国産材を使っての製品に仕上がることを期待したい。