報告・・原木から杉CUBE/mmプロジェクト

活動報告 2023.1.11

2016年から試行錯誤を繰り返し、取り組んでいる「mmプロジェクト」。これまでは、注文いただくと取りかかり、納品する家具として紹介してきました。身近で無理なく取り入れることができる「杉CUBE」は、使う人に無垢の木の心地よさを提供するだけでなく、山の木を使うことで、山を活性化し、二酸化炭素の吸収量を増やし、地球温暖化対策にも貢献します。

 

杉CUBEの使用例

昨年、南河内の山と製材所の見学会に参加したとき、製材所で杉の原木が1本ありました。「もく(木)の会さんなら、どう木取りされますか?」とのお題をいただいたことがきっかけとなり、この原木から「杉CUBE」を制作することになりました。

・・・急遽、木取りを考えます。「見学」といったフワッとした気分が一転、余すことなく使うために・・・、考え、伝え、相談し、その場で挽いていただきました。そして、含水率が落ち着くまで預かっていただくことに。その間、挽いた板材からできるだけ半端のでないよう、「杉CUBE」を制作するために図面を描きます。そして今は、板材の様子を見るために時々お伺いしています。含水率計を持参して。

製材所にあった杉の原木

木取りの相談中

乾燥中の板材

含水率を測る

一般の方が家具を注文するとき、使う木がどこで育ち、どのように手入れされ、何年したら伐採され、どう挽いたら余すことなく使い切ることができるのか。そして、どれだけの時間が経てば含水率が落ち着き、制作に取りかかり、家具としてでき上るのか、思いを巡らすことはあまり無いのではないでしょうか。もしも、そういった“1本の原木から「杉CUBE」ができるまで”を時間をかけて見守る体験ができれば、「杉CUBE」を受け取るとき、山のこと、地球環境のこと、私たちの暮らしとの関わりなど、自然に感じていただけるのではないでしょうか。そんなことも視野にいれながら、今回は私たちが1本の原木から「杉CUBE」ができあがるまでを体験し、見守っています。

南河内の山

現在は和歌山の材で制作している「杉CUBE」ですが、今回の大阪バージョンをはじめ、奈良・京都・兵庫などそれぞれの材の特徴を活かし制作できれば、と考えています。