ハイキングと記念パーティ  2007年5月27日

イベント 2007.5.27

NPO法人もく(木)の会設立記念行事として「飛鳥周辺ハイキング」と「設立記念パーティ」そして「大津壁実演見学会」を行いました。

朝9:45に近鉄飛鳥駅で集合した22名が「飛鳥周辺ハイキング」に参加しました。今回のハイキングコースは「飛鳥駅」―「猿の石」―「鬼の俎・鬼の雪隠」―「天武・持統天皇稜」―「亀石」―「甘樫丘公園」です。飛鳥駅から約1時間20分をかけて太古のみやこの足跡をたどりました。
当日はお天気にも恵まれ、絶好のハイキング日和でした。

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大勢のハイキング客と共に飛鳥駅をスタートした一行が次々と目にしたのはさまざ まな不思議な形をした「石」たちでした。吉備姫の墓を見守るとされる猿たち「猿石」、 西を向くと洪水が起こるとされる「亀石」など、遥か彼方のみやこ跡には、今はもう木造の ものはなく、謎めいた石造物だけが取り残されていました。それらは私達に日常の時間の流れ とは全く異質な時間の流れを感じさせてくれました。最後にたどり着いた「甘樫丘公園」で はそれまでのハイキングコースから一転、様々な種類の木で構成されているひんやりとした 木陰と木々を抜けてやってくる心地よい風に包まれ、なんともいえない安堵感を感じました。

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ハイキングの目的の一つに森林インストラクターと共に「飛鳥周辺の里山を見る」こ とがありました。「里山」とは都市と自然の間にあって、人が利用してきた(いる)森林を いいます。森林インストラクターとして前代表の藤田さんに森林の機能や「甘樫丘公園」 の楽しみ方について説明をいただきながら甘樫丘を歩きました。ここでは“万葉の植物園路 ”が設けられており、万葉集などに歌われてきた樹木との出会いをクイズ形式で楽しめるよう になっています。その全長は約2.3km、ゆっくりと歩くと約2時間コースになります。私達が出 会った木々はクヌギ、コナラ、ネムノキ、マキ、マユミ、マツ、スギ・・・等、実に様々な木 々によりこの丘は構成されていました。

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園路の途中に展望台があり、大和三山(畝傍山・天香 具山・耳成山)を見渡せます。遠くは信貴山から葛城山、金剛山に至るまで奈良盆地と共に見 渡せ、日頃よく目にしていた二上山までもが遠くにちょこんと他の山々にまぎれて座っていて、 いつもの堂々とした姿とはまた違って見えるのが少し可愛らしく感じました。東を見渡せば手 を伸ばせば届きそうなところに飛鳥寺を中心にこじんまりと昔と変わらぬであろう大和の町並 みが見え、どこか懐かしいようなホッとした気持ちになりました。

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記念パーティは、飛鳥寺から目と鼻の先に位置する「神籬(ひもろぎ)」で行わ れました。「神籬(ひもろぎ)」とは神霊の集まる場所であるという、古い民家を改 修したこのお店は、水は山の湧き水、野菜は自宅の畑で採れたもの、箸は吉野杉で作 られ、茶粥懐石のお膳には和紙にご主人の毛筆で万葉集の歌が認められており、食 材とおもてなしに心を尽くされた飛鳥にふさわしいお店であると感じました。会はま ずは前代表、そして新代表の挨拶と続き、松山氏の乾杯の音頭で始まりました。これまでもく(木)の会を支えてきてくださった方々、もくの会メンバーなど総勢31名の 参加者は、次々に出されるお料理に舌鼓を打ち、お酒にほろ酔いし、これからの森につい て語り、あっという間の2時間でした。
奈良に住みながらまだ知らぬ飛鳥の魅力をたっぷりと堪能した一日でした。