タイアップまつり「子育て層の住まいと暮らしを考える」
3月11日(日)、住まい情報センターにおいて平成29年度タイアップまつりが開催されました。
まず初めに基調講演として、高田光雄氏(京都大学名誉教授、京都美術工芸大学教授)の「子育て層の住まいと暮らし
を考える」、その後に5団体 家族と暮らしを考えるKIWI labo.、特定非営利活動法人 集合住宅維持管理機構、(一社)日本商環境デザイン協会、NPO法人もく(木)の会、(一社)モノコミュ研究所のタイアップ事業報告がありました。
高田氏のオープニングトーク「子育てと住まい」では下記の3つの問題提起がありました。
① 安全性を問い直す
② 外遊びの重要性
③ 子ども部屋は必要か
①「安全性を問い直す」では、子ども達が健やかに育つために必要な「安全性」とは危ない事をさせない、持たせないのではなく、いかに子ども時代に「危険の体験」させるのかが重要で、この「危険の体験」が無い事で大学生で初めて刃物を触り大怪我をしたりすることに繋がっている、と話されました。
②「外遊びの重要性」については福島の保育園のケースを取り上げられました。震災当時は放射線量が高く、子ども達は外遊びができない日々が続きました。その結果、運動能力の低下、ストレスの増加、免疫力の低下がみられたそうです。
③「子ども部屋」とは勉強部屋としてだけでなく、自立支援空間として個人が個人としての空間を獲得するために必要なのではないか、子育ての究極の目的は、一人の人間として自立できる大人に育てることである、と話されました。
ご自身のご家族(奥様・一男・二女)との生活経験からのお話しは大変興味深く、説得力のあるものでした。
報告会ではインテリアコーディネーター5名で設立され、もく(木)の会の見学会にもご参加頂いたことのある「KIWI labo.」さん、マンションドクター養成塾を子ども達対象にされている「集合住宅維持管理機構」さん、子ども達にデザインに触れてもらう事と商店街見学を通じ親以外の大人と話をする機会をつくる事を目的にセミナーをされている「日本商環境デザイン協会」さん、もく(木)の会からは代表の西野が木育を中心とした活動について、最後に子育ての最終目的である「生きていく力=生活能力・経済力」を育むために収納セミナー等を行われている「モノコミュ研究所」さんが発表を行いました。
その後、各班に分かれて交流会を行いました。
タイアップまつりは3時間のタイムスケジュールの中には納まりきれない沢山の思いの詰まった報告会でした。日頃共に活動していない方々と交流を持てたことは大変有意義で、日頃感じている現代の子ども達を取り巻く社会環境への危惧等共感することも多く、今後の新たな活動の発展に繋がれば、と感じました。