バスツアー『親子で体験!山の草刈りをしよう』 2011年10月30日
10月30日(日)、親子で体験バスツアー「山の草刈りをしよう!」を行いました。
山に登る前に、山主であり、大阪府森林組合副組合長の奥野さんから「この山は平成10年に室生寺の塔が被害を受けた台風でたくさんの木が倒れましたが、その後植林して山が蘇ってきています」と説明がありました。
登っていく途中に、植林後10年以上経って、ちょうど枝打ちをした木があったので、枝打ちの理由や方法などのお話しがありました。
山道を登ること約30分。昨年3月に植林体験をさせていただいた場所に到着しました。 まず、山主さんたちが通常している草刈りの方法を見せてくださいました。長袖・長ズボンに虫除けのネットをかぶって、先に円盤状の刃がついた草刈機で草を刈る実演をしていただきました。 草刈りは、植えた苗木がある程度育つまで、6月と8月の年2回ほど行っているそうです。
が、今日は子どもたちに体験してもらうので、柄の長い鎌を使います。柄の長い鎌は、草を持って引くのではなく、横に払うように草を刈るので、刃がよく砥がれています。使う前と後は、刃にカバーを掛けておくよう、説明を受けました。
鎌は、1家族に1本ずつ配られました。 いよいよ植林した場所に分かれて草刈りが始まりました。
「横に払うように鎌を動かして」という奥野さんの指導の下、一生懸命草刈りをしています。
3月に植林したとき、自分の植えた苗木に名前を書いたプレートを立てて帰りました。自分が植えた苗木が見つかった親子は、思わずピース! 小雨が降り出し、草刈り体験は早めに切り上げました。
3月の植林体験では、シイタケの菌を植える体験もさせていただきました。 私たちが菌を植えたホダ木は、湿気の多い谷間に組んで置かれていました。
植えたシイタケの旬は終わっていて、大きくなりすぎて白い花のようになったシイタケや、茶色く変色し始めているものもありましたが、子どもたちは1人ずつ収穫させてもらいました。
大きな子はホダ木を1本手渡されて、得意げです。
山を降りる途中、以前は人力で行っていた伐採した木の移動・運搬を、グラップルという機械で木をつかみ移動させる作業を見せてくださいました。
そして、その木を持ってみたらどのくらい重いか、子どもたちに体験してもらいました。 予想外の重さに、びっくり!
雨が降ってきたため、山でのお弁当をあきらめ、ラ・フォレスタ(南河内林業総合センター)に移動して昼食を取りました。その後、講師の奥野氏より河内林業の特徴についてお話がありました。大阪府森林組合では、製材品だけでなくバイオマス燃料(ペレットや木屑のコークス)の普及にも力を入れているという説明がありました。
最後に、「ウッドベースかわちながの」に移動して、伐採された木がどのように柱や板に加工されるかを見学しました。 この施設は国の補助を受けて、杉の集成材で建設されたとのことです。
製材所に積まれた柱材を見ながら、「おおさか河内材」の説明を受けました。河内長野は地理的にも奈良県の吉野地方に近く、気候などもよく似ているため、吉野材と同じように年輪の細かいよい材ができるそうです。また、含水率計を木材にあて、きちっと乾燥したものを出荷している、とのことでした。 丸太を機械に載せ、四方を切り取って柱にしていくところを見せてもらいました。
子どもたちは、丸太を載せた送材車が移動し製材機の刃がみるみる縁を切り取っていく様子を食い入るように見ていました。
サイズを何度も調整しながら、4面を切り取って、柱材の完成です。
次に、板の実(さね)加工とカンナ掛けを同時にすることができるモルダという機械のデモンストレーションをしてくださいました。実加工とは、板の端を凹型と凸型に削る加工のことで、今回は30mmの厚みの杉と桧の床材の加工を見せてくださいました。
機械の間を板が通ると、きれいにカンナ掛けされた板が出てきました。
「板を触ってごらん。つるつるになってるやろ!」と声を掛けられると、皆、「わーっ、ホントだ!」と歓声を上げていました。
自分たちが植えた苗木の成長を確かめ、苗木がよく育つように草刈りをし、育った木がどのように運ばれるか、どのように加工されるかを実際に見ることができました。生憎のお天気でしたが、街で暮らす子どもたちには得がたい経験ができたことと思います。 お世話してくださった大阪府森林組合の方々に感謝しています。
※この企画は「大阪府環境保全活動補助金」で行いました