「山を見よう 木を見よう」 2002年5月22日

見学会 2002.5.22

家の建材として使われる木材はどのようなところで育ち、私達の手元に届くのでしょうか。奈良県川上村に“山の木”を見学に行きました。

川上村は奈良県吉野郡東部にあり、面積が約270kmと県内第3位の広さです。杉や桧の成長に適した気候を活かして吉野林業の中心を担ってきました。 また吉野川の源流に位置している役割を大切に思い、「樹と水と人の共生」という水源地の村づくりを目指しています。見学会の一番初めに川上村役場の方から林業を守ってきた村の歴史を伺いました。

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「山幸彦のもくもく館」は川上村の林業について教えてくれる資料館です。 建物は吉野杉がふんだんに使われており、とても気持ちのよい雰囲気に 包まれています。林業に携わる人々の暮らしと文化や林業の仕事を3 Dの映像シアターで見た後に、館内の展示物を見学しました。木を育 てて切り出すまでの様子や実際に使われる道具を見たり、杉の他、桧 ・松・ヒバなど多種の木材の特長や違いを学びました。成長年ごと の杉の丸太に触れて、100年以上の成長の過程を、その場で実感することもできました。

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少し山に入り、吉野杉の植林地に行きました。樹齢約200年の森林です。木と木の間を密にして植林をすることにより、木がゆっくり成長して年輪が細かい木になります。また自然に枝が落ちるため、枝打ちの回数が少なくて済み、木を傷めないで成長させることができます。200年という長い間を経て、まっすぐに立っている木を目の前にして、ますます木の重要性を感じます。

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最後に、製材所を見学しました。山から運ばれてきた木は、天然乾燥や乾燥機を使った人工乾燥で含水率20%以下に乾燥させます。平均乾燥率を瞬時に計測する機械も見せていただきました。乾燥の後には、用途に合わせた大きさに製材していきます。端として残った部分は割り箸にしていました。一本の木を無駄なく使い切ることを目標にしていて、割り箸にも使えない切れ端は、 製紙工場や木質繊維板製造工場に運ばれるとのことです。