セミナー「地球環境を守る家づくりは住環境も守る」 2009年2月24日

セミナー 2009.2.24

2月16日~3月6日まで桜ノ宮の近畿中国森林管理局で行なった「もく(木)の会」のパネル展示は、私たちの活動内容を広く知っていただく良い機会でした。その期間中の2月24日に「地球環境を守る家づくりは住環境も守る」というタイトルでセミナーも行いました。

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最初に、近畿中国森林管理局計画部長の佐古田氏から、森林の役割としてクローズアップされているCO2の吸収目標や、木材を使うことが化石資材の消費を削減することにつながるということをお話いただきました。次に、もく(木)の会の西野から今年度国土交通省に採択され、補助金を助成された「着せ替えシステム」の概要と、最近の活動報告を行いました。
最後に、奈良女子大学生活環境学部の藤平先生より「近くの山の木で建てた家に住んで」というタイトルで講演がありました。前半は、最近行ったアンケート調査の結果が紹介されました。「住まいについての関心事」の項目では、間取りや日当たり、結露・カビなど当然関心が高いと思われる点が上げられていましたが、もく(木)の会が重要だととらえている「内装材や接着剤の安全性」については、まだまだ関心が低い(平均3.6%、女性だけに限れば4.7%)ということがわかりました。
家族の安全を担っている女性の関心は平均よりも多少高いとはいうものの、まだまだという感じがぬぐえません。コメントにもありましたが、内装材や接着剤の良否が室内空気の質を左右しているという情報を今後ももく(木)の会から発信し続けることが重要だと感じます。「自然素材への関心」という項目では、関心が高いということがわかりました。自然素材として思いつくものは1位畳(い草)、2位無垢木材となっていました。ここでは無垢木材は価格が高いというイメージが強いという点が印象に残りました。この点についても工法や木材の使い方を工夫することでリーズナブルな価格で良質な空間を手に入れられるということを、ユーザーの方々に知っていただく重要性を感じます。
後半は、藤平先生が近くの山の木にこだわって住まいづくりをされた理由や、2年間住んでの住み心地を話してくださいました。またこの2年は、木を使った住まいでの住まい方と手入れの仕方を見直す2年だったというようなこともお話くださいました。たとえば木製の建具は扱うときの力加減を天候によって微妙に変えなければならない、柔らかさが気に入っている杉のフローリングは丁寧に使っていること、木製の水廻りカウンターなどは濡れたときにすぐに拭いてやるなどです。それを「木に慣れる」という言葉で表現されていましたが、ほんの少しの心遣いで木の住まいは味のある変化をし、今後もその趣きを楽しめそうだと締めくくられました。
前回の堺でのセミナーに続いて実際に住んでいらっしゃる方の声を聞かせていただき、セミナーに足を運んでくださった方共々、私たちもく(木)の会メンバーにとっても貴重な時間となりました。