広葉樹の問題を考えるために

勉強会 2023.6.20

 もく(木)の会では、国産材を建築材料として使うことで日本の山を元気にしたいという観点で山や林業を考えてまいりました。この観点では杉や桧という針葉樹が植えられた人工林に主眼が置かれます。しかし、実際の山は針葉樹だけでなく、かつては薪炭や肥料を供給してきた農用林もあり、そこでは、ナラ枯れやマツ枯れなど広葉樹の問題が起こっています。 1950年代にエネルギー源が薪炭からガスなどに置き換わり、化学肥料の普及で落ち葉などが使われなくなった結果放置された山が増えたからだと言われています。今年はみなさんと一緒にこの広葉樹の問題も考えていきたいと私たちは考えています。

    ナラ枯れによるミズナラの集団枯死(鳥取県大山 2020年9月)黒田氏資料より抜粋

 

 何をどのように整理し、考えていくのか、そのためにはまず私たちが多岐にわたる広葉樹の山の問題をしっかり知る必要がある、そんな思いで6月12日に神戸大学名誉教授の黒田慶子さんにガイダンスをお願いしました。黒田さんとは森林総合研究所に勤務されていた頃からつながりがあり、子どもたちと木の輪切りから生長してきた木の年齢を知るというワークショップの指導をお願いしたのは2013年でした。

  ガイダンスでは、日本には統計上言われている天然林はほとんどなく、人が関わった二次林が大半であるのでそのつきあい方を考える必要があること、山からの資源を循環的に利用することを考えなければいけないことなどのお話を伺いました。

  こんなことはどうなっているのだろう?こんなことが知りたいというようなことがあれば、どうぞ事務局までお知らせください。今年度中にはそれらを基に、みなさんと考える機会を設けたいと思います。