住宅における省エネ対策ってどんなこと?

セミナー 2025.4.16

厳しい暑さが続いたり、大雪や大雨・洪水が各地で起こったり、私たちを取り巻く環境は過酷なものになってきています。その根本原因である地球温暖化対策は待ったなしの状況です。省エネを進め、温室効果ガスを削減することはこの地球上で暮らす私たちに課せられた大きな課題です。もちろん建築分野でも、温室効果ガスの排出を抑えることが求められています。

セミナー風景
断熱材のいろいろ

 私たちに何ができるのか、建築的にはどんな手段があるのかお話ししたいと、昨年に引き続き、3月8日(土)に大阪市立住まい情報センターとのタイアップでセミナーを行いました。会場には25名、オンラインでは14名の方の参加がありました。

  前半では、温暖化対策のためにこの4月からは新築するすべての住宅に、省エネ性能の基準に適合させることを求められていること、省エネでかつ「冬暖かくて、夏には涼しい」住宅を達成することは、健康上のメリットがあることなどをお話ししました。  省エネのためには、断熱の性能を高くし、日射熱を冬には取り込み、夏には入れないという日射遮蔽性能を上げることが大切です。

 断熱材の種類もいろいろあります。ガラスは種類も増え、断熱性能や日射遮蔽の性能も上がっていることなど、建築材料自体の変化を知って使うことも、重要なポイントです。

 ただ、生活を豊かにするという観点からいえば、太陽の光の影響を避けるだけではなく、他の自然エネルギーを活用したいと思います。風の道を住まいの中に設け風をうまく取り入れると体感温度を下げることができたり、季節の移り変わりを感じて暮らせます。また五感の一つ、手ざわり、足ざわりで温かさや爽やかさを感じることができるのは、無垢の木を使った床です。空気中の湿気を吸ったり出したりすることで、空気の質を整えます。

 後半では以上のような要素を取り入れた施工例をご紹介すると同時にリフォームだけではなく、自分自身でできる工夫が省エネに効果があることもご紹介しました。今年の夏はどんな夏になるのでしょうか?穏やかに過ごすためにも参考にしていただけたら幸いです。        

 [ 山本恭子 ]