バスツアー『親子で体験!山の間伐をしよう』 2010年7月25日
今年の夏休みは小学生とその保護者を対象に間伐体験を行いました。
昨年は『木の家を建ててみよう』というイベントでミニチュアハウスを実際に建ててもらいましたが、今回はバスに乗って山へ行き、家に使われる木が立っている山の様子を見学し、私たちの家の材木となるまでにどのような手入れがされているのかを体験してもらうイベントを大阪市住まい情報センターとの共催で行いました。たくさんの応募の中から抽選の上、親子38名の方に参加頂きました。
7月25日、朝8時過ぎ天王寺に集合し、大阪府河内長野市の見学する山を目指してバスで出発しました。現地に到着すると、大阪府森林組合副組合長の奥野さんはじめ、指導員の方々が出迎えてくださいました。山は少し涼しいとはいっても厳しい暑さの中、熱中症に十分気をつけながら間伐場所まで30分ほど山を登っていきました。
奥野さんより間伐の仕方の説明があり、その後グループに分かれて直径10cmぐらいの木(桧)を間伐しました。まず間伐する木を選び、木を倒す方向を決めます。それから倒す方向に斜めにノコギリを入れ、三角に口を作ります。次は反対側から平行にノコギリを入れて口の端から2~3cmくらいまで切りました。倒す前に切り口から皮を剥くと簡単にとてもきれいな木肌が出てきて、子どもたちも興味津々。そして指導員の方が木にロープをかけてみんなで力を合わせて引っ張ると、みるみる倒れていきました。手の届かなかった残りの皮も剥いて、今度は丸太切りに挑戦しました。普段使い慣れていないノコギリが引っかかって苦労している子どももいましたが、自分で切った丸太を持って帰りたいと夢中で切っていました。
午後からは、森林総合研究所関西支所地域研究監の黒田慶子さんに指導して頂き、年輪を調べました。
年輪調べに使用した木は直径20cmほどの杉で、下山途中に指導員の方にチェーンソーで1本伐って頂き、下から3メートル間隔で厚さ5センチ程度の円盤状のものを用意しました。伐る前に南北を磁石で測定し、南の側面に印をつけておきました。
それぞれの円盤を南に合わせて方眼紙を置き、年輪の一本一本に印をつけていきます。その方眼紙を順番に台紙に貼り外側から年輪の印を定規でつないでいきました。全てをつなぐとタケノコを縦割りしたような形になりました。
「この木は植えてから何年経っているでしょう。一番下の年輪の印を数えてみてください。」という黒田さんからの問いかけに、子どもたちは真剣に数えていました。正解は奥野さん曰く45年らしいのですが、周辺の目が細かく中心部分は黒くて年輪がわかりにくいこともあり、残念ながら正解者はいませんでした。この年輪調べから10年前の高さや小さいときに出来た枝がどうなってしまうかなど木の生長の仕方もわかることを実践から教えていただきました。
内容が盛り沢山で時間的にも忙しかった今回の企画ですが、子どもたちは楽しそうに、また一生懸命に取り組んでいました。普段とは違う視点で山や木に触れる体験を通して、少し日本の木を身近に感じてもらえたのではと思います。
※この企画は「緑と水の森林基金助成金」で行いました