S邸構造見学会  2003年10月5日

見学会 2003.10.5

S邸の土地は道路との高低差が1m60cmあります。その高低差を利用して、若いお施主さんにふさわしいスキップフロアのレベル差を楽しめる空間を作りました。

act200310_Steikouzou001

写真のように、右側は半地下になっていて倉庫や趣味の空間として使えるようになっています。このような空間があるとお子さんの遊び道具やアウトドアの用品などが収納できとても便利です。

act200310_Steikouzou002  act200310_Steikouzou003

1階のLDKです。大黒柱と小黒柱(しょうこくばしら)があり、広い空間を支えています。S邸の構造材は、土台の部分(国産桧)を除いてすべて国産の杉を使っています。杉はよく乾燥された岡山産。1階天井には太い梁が何本も通り力強い印象です。壁面は筋交い(すじかい)を入れる方法ではなく、強度の認定が取れて  いるF☆☆☆☆(フォースター、ホルムアルデヒドの含有率が一番少ないもの)の構造用合板を使用。 耐震性に優れているので写真のような広い空間を取る事ができます。

act200310_Steikouzou006

2階の天井です。いわゆる天井は貼らず、現し(あらわし)とし、屋根裏には「トラパネ」という杉のパネルを貼っています。天井が高く、木に包まれた気持ちの良い空間になっています。床にも杉が貼られる予定です。

act200310_Steikouzou004

棟(むね)にはOMのダクトが通っています。OMソーラーとは屋根の上にガラス質の集熱板を置き、冬はそこで暖められた空気をダクトで床下まで送り、床のスリットからその空気が出る事によって部屋全体を暖める、夏は放射冷却で冷えた明け方の外の空気を床下に取り込むことによって家全体を冷房する、という装置です。ダクトの空気を送るためにFANを回したり、冬季に補助暖房を使ったりはしますが、自然の恵みを取り入れた環境にやさしい温熱システムです。

act200310_Steikouzou005

柱や梁を止める部分は木造住宅の耐震のために開発された金具と昔ながらの木込栓を併用 しています。

act200310_Steikouzou007

床下には屋根の集熱板で暖められた空気が入ってくるのでコンクリートのベタ基礎になっています。コンクリートは保温性があり畜熱の効果があります。さらに保温性を高めるために、床下の外壁の外側に断熱材を入れ ています