―和歌山県龍神村「翔龍祭」見学―  2006年11月18日

見学会 2006.11.18

水が豊富で温泉にも恵まれた龍神村の林業祭「翔龍祭」を秋が深まるなか訪れました。 和歌山県では昨年の春に市町村合併がたくさんおこなわれ、龍神村も田辺市に合併されました。 その結果田辺市の面積は中辺路や大塔村、本宮町を含め和歌山県の面積の22%を占め県下第1の面積になりました。 翔龍祭は地域の人のお祭りでもあり、都会からのIターン者が多い龍神村の交流会でもあります。 龍神村の林業を紹介するエリアに、地域材で新築やリフォームを勧めているNPO法人「みどりと木の文化のまちづくりネットワーク」の コーナーがありました。艶が良く人口乾燥(中温)された杉の床材厚39mmは見た目も温もりがあり、 来場した地元の人にも評判も良かったようです。

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新しくもくの会メンバーになった松本田鶴子さん所属のGワークスの地元産杉や桧、樅などを使った家具の展示コーナーには柔らかいシルエットの椅子やテーブルが並びました。
また外ではチェーンソーを使って杉の丸太を彫刻するチェーンソーアートの大会も開かれて、林業の村龍神ならではの催しが開催されていました。お昼時にはきれいな水を使った“るあん”のお豆腐や“梅樹庵”のきのこスープをいただきながら里の一員になつたようにのんびりと過ごしました。

会場から少し離れた龍神温泉の元湯のちかくの国民宿舎“季楽里(きらり)”にも足を運び、Gワークスのゆったりした杉のロビーチェアや紙作家奥野さんの照明器具をみて、日本三大美人湯のひとつ龍神温泉に浸かってみることになりました。お湯はまろやかでつるつるとして旅の疲れをいやしてくれました。
帰りがけに寄った福井のGワークスのショールームでは家具のほかに龍神村や近郊で活動している作家さん達の和紙や竹紙、絵本や陶器、織物などのクラフト品の数々が展示されていました。

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龍神村では都会から芸術家やデザイナーに移住して活動してもらい地域の活性化をはかる試みがされています。そのため県と村が建てた“アトリエ龍神の家”が今では9軒あります。そのアトリエが翔龍祭期間中に披露オープンされていました。龍神材を使ったアトリエには藍染作家や書家の若い女性作家や夫婦で関東から移住された環境音楽家など静かな緑深い地で創作に専念されていました。
その中でも数年前に夫婦で龍神にやってきたチェーンソーアーチストの城所(きどころ)さんは世界的な大会で優勝を重ねながら、地元杉を使い数多くの創作と地元での講習会で地域を盛り上げています

和歌山市のはずれにある木の神様、五十猛命(いたけるのみこと)を祀る伊太祁曽神社には城所さんが4月の木祭りに奉納した、めずらしい干支のチェーンソーアートがあります。
初詣がてらにでかけてみてはどうでしょうか?